宮城・仙台にあるライフスタイルホテル『OF HOTEL』。館内の至る所にアートや東北ゆかりの品々が飾られ、地元の方にも愛されています。仙台の課題解決を起点に創られたホテルで、開業してからちょうど1年が経ち、ホテルや個人の成長を楽しめるタイミングです。GMの津志田拓人(つしだ たくと)さんと、企画・PRの佐藤亜美(さとう あみ)さんに、クリエイターを絡めた企画や接客以外の業務、求められる人物像についてお話を伺いました。東北の魅力に出会えるホテル──なぜ仙台の街でライフスタイルホテルを創ったのでしょうか?津志田:東北にはローカルの魅力がうまく発信されずに多く眠っていると感じていました。それと同時に、仙台には地域性のあるホテルが少なく、ビジネスホテルが多くて消費されてしまっていることも課題の一つだと思っていました。そこで『LOCAL SESSION』をテーマに、宿泊だけじゃなく東北地方の魅力に出会えるライフスタイルホテルを創りました。──確かに、仙台は特にビジネスホテルの印象が強いです。ライフスタイルホテルを創っていくうえで、クリエイターやアートというテーマを取り入れた理由ってなんでしょうか?津志田:ローカルの魅力の一つとしてクリエイターの方々の存在があるし、その地域のクリエイター含めたプレイヤーたちと場を共創したいという思いがありました。実際に仙台で活動してるクリエイターの作品の展示や、アーティストのイベントを行ったりしています。地域の魅力を発信し続ける上で、クリエイターの方々の力は必要不可欠だなと感じています。──ゲストは宿泊することで東北の様々なコンテンツに触れて、新たな学びや刺激を得られるかと思います。クリエイター側からすると、ここでの出会いから新たなものを生み出していくイメージですか?それともこのホテルを発信の場として利用するイメージでしょうか?佐藤:どちらの使い方もあります。クリエイターさん達のイベントもありますし、クリエイターさん同士が繋がっていくハブのような役割もある。最近は、地域の方々が発端となってこのホテルを使ってイベントを開催してくれることもあります。──地域に愛されていて、なんだか嬉しくなりますね。佐藤:イベントがきっかけでお客さん同士が仲良くなって、次も一緒に参加しようねって話しているのが聞こえたりするんです。「OF HOTELでやる必要はあるのか?」──『LOCAL SESSION』というテーマを実現するために、クリエイターさんたちが集まる必要があるかと思います。そのためにどんな戦略や施策をうっているのでしょうか?津志田:まず建物のハード面で言えば、パブリックエリアにねぶたを使ったモニュメントを設置したり、客室の床には東北の木材を利用したりと、東北の魅力を館内に散りばめています。また、ラウンジスペースは24時間解放していて、仕事や作業ができるようになっている。ソフト面で言うと、SNSの活用。認知から予約、コミュニケーションなど幅広く利用していて、仙台市内の他のビジネスホテルさんとは違う客層を取れているのかと思います。他にも自分たちの身なりや言葉遣いなど、ホテルの空気感も大切にしています。──クリエイターさんに直接アプローチすることもありますか?佐藤:一人一人に対してSNSでアプローチしたり、大きなギャラリーさんとコラボしたりもします。あとはクリエイターさんがクリエイター仲間に紹介してくれるのが大きいですね。──クリエイターってふわっとしてると思うんですけど、具体的に範囲を決めていますか?佐藤:特に絞っていないです。音楽であれば地元の方にDJを回してもらったり、アートであれば仙台出身の画家さんの絵などを飾らせてもらっています。──クリエイターとECって相性がいい気がします。ECをやる予定はありますか?津志田:これからやっていく予定です。まず1階のエントランス横にショップを開業する予定なので、他のお土産屋さんが置いてないものや、スタッフが本当に良いと思ったものを置いていきたい。ポップアップみたいな形で、東北のものやクリエイターさんの作品を置いていければと考えています。──楽しいタイミングですね。ライフスタイルホテルは全国的に増えてきているかと思いますが、コンセプトを維持する難しさってありますか?津志田:まだオープンして1年なので、みんなで探りながら運営している状態です。認知度を上げていく段階ではありますが、レビューやお客様の反応はしっかり見ています。何か企画を考える時に、「これはOF HOTELでやる必要あるのか?」「お客さんは何を求めているのか」と考えるようにしています。──クリエイターさんたちもOF HOTELで働ける取り組みはありますか?クリエイターの収入や発表の場という課題を解決していくために、そういった取り組みをしている事例を見たことがあって。津志田:ホテルとしてはあるからにはメインはお客様対応になるので、現在はその土台を整えている状態ですかね。今後”スタッフがクリエイター”みたいな循環が生まれていったら面白いだろうなと思っています。接客以外の業務で成長──コンセプトを実現する上で、接客以外の業務が生まれてくるかと思います。津志田さんは現在どんなことをしていますか?津志田:今はレベニューやマネジメント、採用や労務などをやっています。あとは先ほども話したショップの開業準備ですね。──接客以外の業務は、前職でもやっていたんですか?津志田:ショップに関しては、前職のホテルでもその土地のモノを使った商品企画をしていました。場所は違うんですけど、ここと同じように地域に根ざしたコンセプトのホテルだったんです。常に新しい商品を求められるなかで、作家さんと相談して作っていく経験もさせてもらいました。──ここで働くやりがいや、職場環境としての魅力ってなにかありますか?津志田:徐々に結果が出てくるとやっぱり嬉しいし、成長を実感できる。みんなでとりあえずやってみよう精神でやっていて、それの良し悪しについては一人で抱えこまないで、みんなで話し合う。みんなで考えて、みんなで成長していってる感じが嬉しいですね。あとは単純に仲が良いです。オープン前のマニュアルを決めるところから一緒なので、絆がうまれているかなと。──佐藤さんは現在どんな業務をしてしていますか?佐藤:接客以外に、イベントの企画やPRを担当しています。私はイベントの経験が全くなかったので、未だに分からない部分も多く、他のメンバーにいろいろヒントいただきながらやっているところです。──前職は接客だけをやっていたのでしょうか?佐藤:前職は大規模な外資ホテルだったので、接客だけでしたね。フロント一本で、精神を削りながら目の前のお客さんの対応をしていました(笑)今でも当時の同期と「今のホテルどう?」って話をよくするんですけど、お客さんのフランクさも全然違うし、フロントだけじゃなくていろんな業務を行なえるので、「今の方が楽しそうだね」って言われます。ベンチャーらしく大変な部分はもちろんあるけれど、自分の発言が形になっていくのは充実感を感じられますし、今が一番楽しく働けていると思います。──実際にどんなイベントを行っていて、どんな学びがありますか?佐藤:私は音楽が好きなので、音楽イベントを行なっています。直近では一周年イベントも考えていて、DJを呼んで熱量のあるイベントを行えたらと思っています。イベントの運営をする中で驚かされたのが、新たな出会いの多さです。「仙台にこんな方達もいたんだ」みたいな、多くの方に出会える。一般的なビジネスホテルと違って、このホテルで働いていると自分から声をかけやすいですし、自分自身のコネクションにもなっていく。課題を楽しめる人が合う──今後やっていきたいことはありますか?津志田:オープンしてやっと1年間のデータが溜まったので、レベニューマネジメントやプランの作成にそのデータを活かしていきたい。昨対比を超える数字を出しつつ、違った打ち出し方を試せたらなと。あとは店舗のショップを早くオープンさせたいですね。佐藤:2年目は何事も勝負になってくると思うので、1年目を振り返りつつたくさん改善していきたい。接客もそうですけど、イベント・企画の部分でより面白いものを開催できたらいいなと思っています。個人的に言うとスタッフが一番楽しく働くことが、何よりもホテルを発展させることに繋がると思っています。各々のやりたいこと、やってみたいこと、してほしいこと、ついていけないことなど、コミュニケーションを大切にしながら良いホテルを創っていきたいです。──いいですね。ホテルの土台が固まってきているのが感じられます。今後はより認知を拡大していくようなイメージですか?津志田:そうですね。今はいろんな人に知ってもらうタイミングだと思います。現在は県内の利用者が多いので、これから関東圏の方もどんどん増やして行きたいです。──逆に課題はありますか?津志田:小さな課題はたくさんあります。少しずつ改善していってる状態ではありますが、それを楽しめる人が来てくれたらなと思います。──ベンチャーらしく日々の業務を改善できたり、ライフスタイルホテルの特徴を活かしてたくさん企画もできる。何よりスタッフ同士も仲が良く、魅力的な環境というのが伝わります。津志田:ライフスタイルホテルの課題もあって、今まで応募してくれた方の多くが接客以外のところに目がいきがちなんです。僕たちはホテル業なので、お客さんの対応がメインの仕事になる。ホテルを第一に考えて、その上で企画や発信をしてもらえたらいいかなと思います。──最後に、どんな方に応募してもらいたいですか?津志田:今いる社員はみんな東北出身ですが、これから入ってくる方は東北に特にルーツがなくても大丈夫です。ただ、なにか東北にまつわるエピソードとかがあった方がやりやすいのかなと思います。佐藤:社長もマネージャーも、基本的に何でも言っていいよというスタンスでいます。一般的な会社だと話しかけづらいとかあると思うんですけど、うちは本当にフラット。なんでも発言できる環境だからこそ、萎縮しないで何でも言える人は合うと思います。文章・編集:田中拓海写真:田中拓海hoteltree(ホテルツリー)は、働きたいホテルが見つかる求人サイトです。宿泊業界の離職率は約30%。入社する理由と、続けられる理由は異なると考えています。続けられる理由まで考え、ホテル業界の取り組みや支配人の想いを紹介していきます。ミスマッチを減らすことを目的に、誠実なホテルと宿泊業を志す人々、それぞれに真摯に向き合っていきます。